書評
―『外来がん患者の日常生活行動支援ガイド』―患者の目線に立った具体的内容で,学生にわかりやすいガイド
山本 美津子
1
1武蔵野大学看護学部
pp.853
発行日 2008年9月25日
Published Date 2008/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101024
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臨地実習の一環として,学生が受け持ち患者の退院指導を行うことがある。学生は調べてきた生活上の注意点などを一生懸命説明するのだが,はたしてそれが患者にとって有用なものとなっていたかは疑問が残るところである。また当面の生活に適応しても,外来で治療を継続するがん患者は新たな困難や不安に遭遇することになる。
本書は,さまざまな治療過程にある外来がん患者を視野におきながら,日常生活という看護本来の視点から支援するためのガイドブックである。神奈川県立がんセンターで実際に使用されていた退院指導用のパンフレットを“退院後に外来治療を継続する患者・家族が対処できる日常生活行動の内容になっているか”という観点で見直され,編集されたものである。執筆者は,外来や病棟でがん患者の相談を受ける機会の多い認定看護師や経験豊富な看護師を中心とした人々である。ユニークなネコを中心としたイラストが親しみやすく,またポイントをつかみやすいように工夫がなされている。
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