特集 コミュニケーション能力と倫理
成人看護学分野におけるコミュニケーションおよび倫理の取り組み
中條 雅美
1
,
森崎 直子
1
,
政時 和美
1
1福岡県立大学看護学部成人看護学講座
pp.126-132
発行日 2008年2月25日
Published Date 2008/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100860
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はじめに
2009年度から施行予定の新カリキュラムでは,とくに看護実践能力の向上を図るために演習を強化し,終末期に関する内容を含むこと等が求められた。福岡県立大学看護学部(以下,本学)では,2007年度からがん看護専門看護師養成の修士課程を開設するなど,がん看護にも力を入れており,学部教育の成人看護学でも終末期を含むがん看護学の内容を取り入れている。
しかし学部生にとっては,がんを抱えた人と関わったことがないためにどのように接したらよいかがイメージできないことや,勉強する前からがん看護に怖気づくことが,少なからずあるようである。また,倫理的判断をすることに対しても,看護を行う上で必要なことと認識しながらも難しいイメージが強く,とっつきづらさを感じているようである。
そこで本稿では,がん看護における対象理解やコミュニケーション技術の学習を目的としたロールプレイング,終末期の倫理的問題を含む事例のディスカッションを活用した講義・演習の一部を紹介する。
なお,本稿で紹介する授業を受講した学生には,講義の場面や反応を雑誌で公表すること,プライバシーの厳守について説明し,書面で承諾を求めた。拒否などにより評価の面で不利益が生じないことを保証した。
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