特集1 看護学生の論文
入選エッセイ・論文の発表
論文部門
人工骨頭置換術を受けた高齢者のADL向上に向けた援助―退院後の生活を想定した関わりを通して
小林 晶子
1,2
1兵庫県立厚生専門学院 看護学科第2部(投稿当時)
2大阪市立十三市民病院(外科外来)
pp.700-703
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100740
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はじめに
ADLとは日常生活動作のことで一人の人間が独立して生活するために行う基本的な,しかも各人ともに共通に毎日くり返される一連の身体動作群のことである。中島らは「ADLを高めるための訓練は,訓練室のものをいかに生活の中に取り入れていくかにある」1)としている。
入院患者は入院している間は病院内の整った環境のなかで生活することができるが,退院後自立して生活していくためには,その人の生活を知ったうえで援助を行うこと,またADLを高めるためには患者の生活に即した訓練が必要である。今回私は,右大腿骨頸部骨折により人工骨頭置換術を行った老年期の患者(以下,Aさん)を受け持った。Aさんは術後の経過も順調であり,退院に向けてのリハビリを行っていたが,一人暮らしをしており在宅生活に対しての不安がみられた。そのためAさんに対し自宅環境を具体的に想定しながら,ADLの拡大を行っていった。その過程をここに報告する。
なお,この事例をまとめるにあたり,Aさん本人,Aさんの家族には,今回の学びを報告することに同意を得ている。
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