連載 患者学通信・3
Community Facilitated Medicine その1
田中 祐次
1
1東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム
pp.346
発行日 2007年4月25日
Published Date 2007/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100681
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前号で,Community Facilitated Medicineの話に少し触れました。その際に,「私が患者学と言っている学問はコミュニティによる医療(Community Facilitated Medicine)と考えています」と紹介しました。今回は,なぜ私自身がCommunity Facilitated Medicineという考えに到達したのかお話ししたいと思います。
患者の声,家族の声とはいったい何か,それを考え始めたのは2000年より主催した「ももの木」という患者会からでした。東京大学医学部附属病院での研修医時代,都立駒込病院での非常勤医師の時代に知り合った患者さんたちに声をかけて,病院の外で会い,おしゃべりをしたことがきっかけでした。当時,私自身は「俺って,患者さんや家族の気持ちがわかるいい医者だな」と勘違いしていました。もちろん,勘違いと気がついたのは後になってからです。
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