焦点
古(いにしえ)の身体運用に学ぶ介助技術―「古武術介護」がもつ可能性
岡田 慎一郎
pp.48-52
発行日 2007年1月25日
Published Date 2007/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100595
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古武術,といってピンと来る読者の方はいらっしゃるだろうか? 近年,武術研究家・甲野善紀氏が提唱する身体の使い方・発想の転換が,スポーツや楽器演奏,介護など,幅広い分野で注目を集めている。筆者は,介護福祉士として勤務する傍ら,数年前から甲野氏から身体の動きを学び,それを身体介助技術に応用・実践する活動を行っている。筆者は武術の専門家ではないし,甲野氏が行っているのも古流の武術を研究材料とした独自のものであって,正確には古武術ではないのだが,古流の武術からヒントを得た身体介助技術という意味で,「古武術介護」と名付けてこのたび『古武術介護入門』(医学書院,2006)を上梓した。
甲野氏の身体の使い方や考え方が,各分野の専門家から注目を集めるのはなぜなのか?
ここでは実際の技術を紹介しつつ,「筋力に頼らない身体の使い方」と「現場で求められる発想の転換」という2点から,「古武術介護」がもつ可能性を紹介したい。
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