連載 教え,伝える現場…番外編
「ものの声,ひとの声」を描き続ける―渡辺 淳さん
永井 祐子
pp.1-3
発行日 2007年1月25日
Published Date 2007/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100587
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「看護教育」表紙絵は森岡実莉さんの絵手紙から,渡辺淳さんへバトンタッチされた。実莉さんと渡辺さんは文通友達。実莉さんは小学3年になった4月28日から高校1年生の今日まで,7年と8か月,毎日,毎日,1日も欠かさず日常を絵手紙にして渡辺さんに郵送してくる。配達された絵手紙は3000枚近いという。その渡辺さんと私は浅からぬ縁がある。私が渡辺さんのことを知ったのは,1982年,25年も前のことだ。
「福井県大飯郡の佐分利という辺地に,郵便配達をしながら蛾とか蜘蛛とか炭焼きガマばっかり書いているすごい絵描きがいる」。東京の図書館でたまたま手にした『新ふるさと事情』(朔風社,熊谷栄三郎著)に,渡辺さんのことが書いてあった。偶然にもそこは,県境を挟んで私の故里の隣村だった。あの山奥にそんな画家がいたなんて知らなかった,どんな人なんだろう,いつか訪ねてみたいと思ったまま時が経った。
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