連載 ユースカルチャーの現在・52
高校生文化の変遷について(3)―1980年代初頭と現在の比較
渡部 真
1
1横浜国立大学教育人間科学部
pp.1114-1117
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100570
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登場人物
A 大学教師:教育関連学部で社会学を教えている。50歳代,男性。
B 大学生:教育関連学部の4年生。20歳代,男性。
はじめに
A 今回は,高校生文化の変遷について考えるシリーズの最終回です。前回は,僕が1982年に書いた「高校間格差と生徒の非行的文化」注1)という論文をもとに,1980年代初頭の高校生について考えました。今回は,その時の調査で行った高校生の「ユースカルチャーへの関心度」の調査結果を紹介し,あわせて現在との比較を試みたいと思います。
B 今の高校生にも「ユースカルチャーへの関心度」を聞いたのですか?
A 直接,高校生に聞くのが難しかったので,大学生391人にアンケート調査をして,高校時代のことについて聞きました。
まず,1980年に実施した高校生調査の結果の方から検討してみます。前回の繰り返しになりますが,ごく簡単に調査の概要にふれておきます。
この調査は,A県の5つの高校の状況を探った共同研究です。大学進学率の高いA1校,あまり大学進学率の高くない普通科のA2,A3校,大学進学者がほとんどいない職業科のA4,A5校の5つの高校を調査対象にしました。僕が主に担当したのは,「生徒の学校観」や「ユースカルチャーへの関心度」でした。前回は,「生徒の学校観」を紹介したので,今回は「ユースカルチャーへの関心度」について検討します。
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