連載 教え,伝える現場【最終回】
100年昔と100年先を思う仕事人―熊倉純一さん
永井 祐子
pp.1079-1082
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100541
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
空師(そらし)という仕事をご存知だろうか。高い木に登って枝おろしや伐採をする職人のことを,“空師”と呼ぶのだそうだ。木よりも高い建物などなかった昔,空に一番近い所で仕事をする人を意味する言葉だったという。命綱を腰に巻いて,100年は経っただろうかと思えるケヤキや杉の巨木をするすると登り,腰につるしたチェーンソーで幹を伐り落としていく。青く澄んだ秋空に突き刺さったような巨木のてっぺんで,たった1人で木と向かい合い,言葉を交わしている。木が大好きで,声がでかくて,人一倍優しい,若き空師・熊倉純一さんと木との対話に耳を傾けた。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.