特集 看護の歴史はおもしろい 語り継がれる人と時代
第3部 慈恵の看護教育と実践
慈恵の看護の実践に「フィッシュ!」を取り入れて
大水 美名子
1
1東京慈恵会医科大学附属病院看護部
pp.1036-1037
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100534
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仕事を楽しむ組織風土をつくる
当院は開設129年の歴史をもつ大学病院で,1075床の特定機能病院である。学祖・高木兼寛の理想とした「患者中心の医療の実践」を中心におきながら,進取の精神でさまざまな改革に取り組んできた。しかし,近年の医療環境の変化はめまぐるしく,このような激変する社会ニーズに適応した経営・管理運営を戦略的に構築していかなければ,健全な病院運営は存続できないといっても過言ではない。それらへの対応として,医療収入の増加を図るためにさまざまな策を立てるなど,現場は非常にめまぐるしく動いている。さらに,医療の高度化・複雑化や患者ニーズの高まりは,安全管理に対する危機感をいっそう高め,組織全体は強いストレス下にあった。このような状況では,近視眼的な解決策だけではモグラ叩きに陥ってしまう。
組織全体が活力のある組織に再生するために,組織を構成する人々がいきいきと仕事を楽しむ。よい医療を実践することと,働く職員が仕事を楽しむことはイコールである,という考えのもと,組織の抜本的改革が重要である!と判断した。
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