連載報告 「健康生成論」に学ぶストレスにどう対処する? 旧ユーゴ紛争を生き抜いた女性たちのインタビューより・3(最終回)
首尾一貫感覚を高める要因
蛯名 玲子
1
1グローバルヘルスコミュニケーションズ
pp.934-938
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100785
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今までの連載を通して,旧ユーゴ紛争と健康生成論,そして,実際に旧ユーゴ紛争を経験した女性たちのストーリーとSOC(首尾一貫感覚)について紹介してきた.
前回紹介した2人の回答者,7(30歳,ジャーナリスト,SOC最高得点者)と11(28歳,看護師,SOC最低得点者)は,SOCの形成・成熟時と考えられる20代初期までの経験や現状を比較しても大差はないにもかかわらず,ストレスフルな出来事に対する受け止め方や,SOCの得点に大きな違いがあった(図).なぜなのだろうか?
最終回である今回は,この理由を推察したうえで,病気や死という大きなストレッサーを常に抱えている医療現場に,健康生成論やSOC概念,今回の調査結果を応用する可能性を考える.
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