連載 続・なぜ看護政策を学ぶのか?【最終回】
看護・医療・福祉に関する最近の動向―2006年診療報酬改定・医療制度改革・看護基礎教育の充実に関する検討会など
田村 やよひ
1,3
,
大室 律子
2
1国立看護大学校
2千葉大学看護学部
3厚生労働省医政局看護課
pp.736-741
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100358
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診療報酬・介護報酬の改定について
診療報酬の改定
大室 この連載の最終回として,最近の看護・医療・福祉の動きをみていこうと思います。まず,4月にいろいろな制度が変わりました。どのように変わってきたのかをお話しいただけますか。
田村 4月から施行された新しい制度の中で一番大きなことは,これから急性期医療の充実が求められるなかで,診療報酬の改定で,患者7人に対して看護職員1人,旧の基準でいえば1.4対1の配置が実現されたことです。
今年,すぐにそういう配置を実行できる病院は多くはないと思いますが,めざす場所が見えてきたわけですから,看護管理者たちには看護職員を確保するための努力が求められてくるのではないかと思います。
さらに看護にとって画期的なこととして,褥瘡ハイリスク患者ケア加算として,1回の入院につき500点(=5000円)ついたということです。これは,看護の技術を直接評価するという,これまでなかったものです。褥瘡に専門的な看護を提供できる,日本看護協会が認定しているWOCナース相当の人たちが配置されていることによって,診療報酬上点数がつけられた。このことは,この先,看護の専門的な技術が診療報酬の仕組みの中で評価される道ができたという意味で大きな出来事と捉えてよいと思います。
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