連載 現代看護の諸問題・7
最近の看護制度改革論
大山 正夫
1
1看護問題研究会
pp.98-102
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914686
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「病院スト」後の看護制度論
昭和35年秋に始まった「病院スト」は,当時の安保闘争,三井三池の炭鉱合理化反対争議などとともに政府をゆるがす大きな社会問題となった。極端な低賃金,長時間労働,前近代的な支配機構に対する看護婦の怒りの爆発は,そのような非人間的な搾取と,それを陰傲する偽善思想のうえになり立っていた日本の医療と看護制度を根本からゆり動かすことになった。
これにあわてた政府は,いち早くその年の12月に病院経営管理改善懇談会を発足させ,翌年3月と7月に答申を出させたが,看護制度については指揮系統の明確化,正,准看,補助者の業務区分,受持看護制や業務の標準化の導入,身分制度の再検討などを提起するにとどまって,具体策はその後にもちこされた。こうして厚生省,病院協会,日本医師会,看護協会など関係団体の間で,さかんに看護制度をどうすべきかが検討された。
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