グラフ
呼吸はどうか,チアノーゼはないか—常に緊張がとけない小児循環器病棟の看護
八木 保
,
本誌編集室
pp.906-911
発行日 1978年9月1日
Published Date 1978/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918482
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病棟に入る.大きな窓から差し込む光が病棟にあふれている.明るい光の中でキビキビと動き回る黄色のユニホームの看護婦たち.廊下には走り回る子どもたち.だが小児病棟特有のあの合唱のような赤ん坊の泣き声と子どもたちの遊び回る歓声はあまり聞こえない.
それもそのはず.24床と少ないベッド数のうえに,この病棟の子どもたちは,みんな開胸という大手術を受けてきたのである(検査目的の入院でも心臓カテーテル検査を受けるが,これは大人でもつらい検査ときく).先天性の心疾患をもったというだけで,小さな体と小さな心に重すぎるほどの体験を,つい先日してきたばかりなのである.まだ自分の体に何か起こったのか分からない子もいる.
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