連載 看護教師の学び方アラカルト―つなぐ・創る・活かす・7【最終回】
―看護師等養成所における―看護教員の再教育の現状と求められる研修体制の創造
丸山 美知子
1
1厚生労働省看護研修研究センター
pp.598-601
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100321
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はじめに
厚生労働省では,ここ数年の間に「新たな看護のあり方に関する検討会」をはじめ,いくつかの検討会報告書を出しており,いずれの報告書においても看護基礎教育における教育内容や到達目標等が課題として取り上げられている。そのようななか,今年の3月には「看護基礎教育の充実に関する検討会」の第1回目が開催され,12月には報告書が出されることになっている。
これまでの検討会の提言や医療制度改革,介護保険の見直し等に伴う,生活習慣予防,介護予防の重視など期待される看護職とあるべき看護基礎教育のあり方から,教育の到達目標,教育課程等が検討されることとなっている。
一方,看護師等養成所の状況をみると,少子化および大学全入学時代を迎えて入学者の定員割れ,10%前後の退学者,看護師国家試験合格率88.3%,新人看護職員の1年未満の離職率8.4%などの数字が,看護職員確保,看護教育実践,学生指導,学校運営等における課題の多さを物語っている。
若者が看護を魅力ある職業として選択し,生涯を貫くに値する職業として,看護を探究し続けようとする原点は,看護学生が受けた教育や出会った看護教員はじめ職員にある。
浅田らは,世界的な教師教育の改革の中で「生涯学習者としての教師像」が新しく生まれてきているという1)。
教師という仕事は,長い年月をかけて成長・発達していく奥深い専門職であるという職業観であり,看護教員にも当てはまると考える。
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