連載 看護学生のための医療・看護経済学入門・1【新連載】
看護学生が医療・看護経済学を学ぶ意義
飯島 佐知子
1
1愛知県立看護大学看護教育・管理学
pp.510-513
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100304
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なぜ今,医療・看護経済学なのか
多くの人は病気になったとき,最高の医療を受けたいと望みます。しかし,その医療を提供するための医師や看護師,薬剤や医療材料は,世界中のすべての病気の人に最高の医療を提供できるほど十分には存在しません。ところで,日本の医療は,どのような現状にあるのでしょうか。
日本の医療は,国民の支払う保険料と税金を財源とする国民皆保健制度のもとで提供されています。しかし,国全体の予算が大きな赤字を抱えていることや,企業の収益が伸び悩んでいることから,医療の財源を増加させていくことが難しくなっています。一方,医療費の支出は,高齢化や医療技術の進歩に伴ってさらに高まることが予想されています。そのことは,公平に医療を受けられる仕組みとして機能している国民皆保険制度の存続を脅かすことになります。
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