Scramble Zone
開発途上国における研修の実践―学生が主体となって行った研修の学習成果とその要因
酒井 康江
1
,
江藤 節代
1
,
喜多 悦子
1
1日本赤十字九州国際看護大学
pp.724-727
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100119
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はじめに
近年グローバル化がすすみ,国境を越えた人や物の交流は,さらに激しさを増している。健康支援も,国内のみに固執した体制では多様化する事態に対応しきれない。看護大学においても,国際的視野をもつ学生の育成は重要課題である。開発途上国への国際協力志向も含め,最近では「国際看護学」を履修科目とし,海外研修を積極的に取り入れる大学が増えている1)。
本学は「国際」を標榜した大学として,国際保健学・国際看護学を必修科目としているほか,「保健医療面だけでなく社会的文化的分野などを含め多面的に世界の健康問題を把握し,人々の健康の回復・維持・増進に,看護者としていかに関与していくか」を学習できるようなカリキュラムを組んでいる。
今回報告するベトナム研修は,開学から3年たち,「国際」に何らかの関心を持ち学習を続けてきた学生の強い要望により実現した。学生は,研修中はもちろんのこと,その前後に行われた事前学習会から報告書作成まで,一連の過程を主体的にすすめ,結果として自ら期待した以上の知見を得たと評価するにいたっている。教職員は,それらを後方支援し,訪問先の選定,受け入れ機関との交渉,その他諸手続きに関与した。
これまで,先進国における研修報告は相当数あるが,開発途上国での研修を検討したものは少ない。今回,本学の学生が自主的に行った研修経過を検証し,学習成果とその要因について報告する。
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