特別記事 料理界の哲人三國清三氏に聞く
「食育」の本当の意味
三國 清三
1
,
横井 郁子
2
1ホテル・ドゥ・ミクニ
2首都大学東京健康福祉学部
pp.692-698
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100113
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僕には職人と経営者の2つの顔があり,どちらも大切です。悪くいえば中途半端,よくいえばバランスをとることができる。
横井 三國さんの「食育」の話をうかがう前に,いろいろなことにチャレンジしていくきっかけは何だったのかお聞きしたいのですが。
三國 僕は,昭和29(1954)年生まれで50歳です。われわれは,「昭和29年の会」というのを作っていて,定期的に皆で集っています。昔,「花のニッパチトリオ」といういい方があったのをご存知ですか? その「花のニッパチ」があって,1954年生まれのわれわれは陰の存在だったんですね。フランス的にいうと,その年は,ワインの出来が非常に悪いんですよ。飲めないくらい出来が悪いんです。“ニッパチ”の1953年はいい年でした。
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