特集 介護保険時代を前に,これからの地域保健活動を考える
21世紀の保健福祉行政の役割と介護保険制度創設に伴う保健婦の保健活動—研究報告『これからの行政組織における保健婦(士)活動のあり方に関する研究II—介護保険制度を視野に入れて』から
河原 智江
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1厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課
pp.94-100
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902936
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要約
地域保健においては,介護保険制度導入をひかえ,さまざまな課題に直面している。
ここでは,平成9年度の厚生科学研究『これからの行政組織における保健婦(士)活動のあり方に関する研究II—介護保険制度を視野に入れて(主任研究者:湯澤布矢子)』報告書から,21世紀の保健福祉行政のあり方と介護保険制度をふまえた行政組織に所属する保健婦(士)(以下,「保健婦」)の活動のあり方を紹介する。
これからの保健福祉行政が重点的に担う役割としては,住民のニーズを総合的に把握し,社会経済情勢を的確に捉え,各種保健福祉計画を策定し,公平性の保たれるサービス提供体制を整備,情報提供,サービスの質の確保をすることがますます重要となる。このような中で保健婦は,活動領域を拡大しているが,どの領域に配属されても,その領域の実態を把握し,予防的視点から施策化および計画策定を行う保健の専門性を発揮していく。
次に,介護保険制度の導入をふまえ,特に保健事業部門および介護保険事業部門に配属ざれた保健婦が積極的に担う役割について示している。介護保険制度においても,保健事業部門と介護保険事業部門が互いに連携して事業展開していくことが不可欠であり,ここでも,保健婦には,保健の専門性を発揮する活動が期待されている。
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