特別寄稿
セネガルでの青年海外協力隊員活動体験レポート
清水 智子
1
1巻町環境保健課
pp.298-300
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902862
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私の訪ねた国
その村に住み始めた当初,村人たちに世界地図を見せて「日本はどこにあると思う」と質問したところ,10人中10人がはずれて,指した所はソ連や中国,はてはインドなどの大国だった。正解を示すと,「うそだ〜。あんなにお金があるのにこんな小さな国のはずがない」と言われ,「日本を知ってるよ。あいさつはニーパオだろ」と真面目な顔で挨拶される。そんな遠い国の日本の女性を初めて見る村に,私は1994年の6月から1996年の4月まで赴任した。国は西アフリカのセネガル。大西洋に面しているが,その海には多くの外国の船がやって来て,資源を持って行く。
国民の8割が農民で,フランスの植民地の名残から落花生を栽培し輸出しているが,年間3か月余りの雨期に加え,近年は干ばつが続き水不足のため,唯一の収入源である落花生の収穫量が減っている。1992年のセネガルのGNPは780ドル(ちなみに同時期の日本のGNPは23,800ドル)である。
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