FOCUS 誌上ワークショップ
難病患者支援の質を高めるアクションリサーチ—現場・本庁・大学の協同による研修・施策・研究の連動
岡本 玲子
1
,
濱田 圭子
2
,
井上 清美
3
,
小西 かおる
4
,
河野 あゆみ
5
,
千葉 由美
6
,
中山 貴美子
7
,
村上 修子
8
1神戸大学医学部羅学科
2兵庫県丹波県民局県民生活部柏原健康事務所(柏原保健所)
3兵庫県中播磨県民局県民生活部福崎健康福祉事務所(福崎保健所)
4東京都神経科学総合研究所難病ケア看護研究部門
5東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
6東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
7神戸大学医学部保健学科
8兵庫県県民生活部健康局疾病対策室難病係
pp.1040-1059
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902715
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
難病患者支援の質を高めようと,平成12年度から兵庫県で起きていたいくつかのアクションが,難病研修会をとおして統合され,県全体のダイナミックな展開となりつつある。この報告は,そのアクション,つまり「実践者(保健師)による研究」「県難病相談センター・県担当課・保健師長代表・研究者による難病研修の企画検討会」「県担当課の難病保健対策」の経過と,それによって生じた変化を振り返ったものである。
当初,保健師が抱えていた問題は,「難病患者支援に保健師の専門性を確認できていない」「個別ケアや保健事業を進める際に,適切な情報収集とアセスメントからニーズを明確化しPlan/Do/Seeへと展開するプロセスをト分踏めていない」「活動の継続性の保証,利用者・関係機関への説明責任として必要な“活動の根拠や成果の明文化”が十分でない」というものであった。社会に働きかけて変化をもたらし,実際の問題解決に結びつける研究活動をアクションリサーチというが,今回の取り組みは,上記の問題を解決するためのアクションリサーチと位置づけることもできる。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.