連載 福祉部門で働く医師からの手紙
本庁から見る高齢者保健福祉
松下 彰宏
1
1大阪府福祉部高齢者保健福祉室
pp.130-131
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901645
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「福祉部だけはいきたくない」,「福祉部では忍の一字やで」,「次に福祉のポストにいくのは先生やな.私は絶対に結構ですわ」,「○○先生は苦労してはるなぁ」まわりの保健所医師にさんざん不安をあおられて,みんなの期待どおり福祉部に来て2年目になりました.現在本庁の福祉部にいる医師は社会保険の指導医療官を除くと,1歳6カ月児健診や地域リハビリテーションを担当する保健福祉政策室にスタッフでいる1人と私の2人です.
保健所から福祉部へといっても,私自身は2年の臨床研修と1年の保健所での研修の後,4年間福祉部所管の大規模な知的障害者施設の診療所に出向して内科系の医師として勤務していました.障害を持つ人たちに比較的時間をかけて健康管理も含めた診療を行っていると学ぶことが本当に多く,保健所への転勤を断りたいと思ったくらいでした.そのあと4年も保健所の保健予防課長をしながら,当直だけですが診療所の兼務もしていましたからそれなりの素地があったのかもしれません.
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