特集 介護保険時代の難病対策
神経難病医療専門員の活動と地域ケアシステム—宮城県神経難病医療連絡協議会のモデル活動をとおして
関本 聖子
1
1宮城県神経難病医療連絡協議会
pp.1026-1032
発行日 2002年12月10日
Published Date 2002/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902713
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筋萎縮性側索硬化症(ALS),パーキンソン病(PD),脊髄小脳変性症(SCD),多発性硬化症(MS)など神経難病の患者は,中枢神経系が広く障害され,進行性に全身の機能が低下します。このため全身性に運動機能障害が出現し,四肢の運動機能はもちろん,日常の生活に必要な会話や嚥下,呼吸,尿・便などの生命維持に不可欠な機能にも支障をきたしますが,意識障害をほとんど伴うことがない疾患です。治療法はいまだ確立されていません。
進行に応じた対症療法とケアを中心とした在宅療養をしている患者も多く,とくにこの数年間,神経難病患者の在宅療養を支援する活動が全国的に活発に展開されており,介護保険制度の導入や診療報酬の改正に伴って,在宅療養へ移行する患者も増えてきています。しかし,神経難病患者の療養生活は長期にわたるため,入院医療にも在宅医療にもさまざまな問題点があり,大きな課題となっています。
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