連載 ニュースウォーク・42
男性助産士難産のわけ
白井 正夫
1
1元朝日新聞編集
pp.736-737
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902491
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陣痛を感じたので予約していた大学病院に電話したら,「そんなの,まだまだ」と軽くいなされた。痛みが強くなってようやく入院を許可されたのが夕方。病室で一夜,陣痛をこらえ苦しんでようやく分娩室へ。さあ出産間近という時,どやどやと白衣の医学生20人ほどが入ってきて,分娩台を取り囲んだ。
「あんなに恥ずかしかったことはない」。お産の話になると,30年以上も前の,地方の大学病院での体験をいまも語るのはわが細君だ。産科の授業で時間もピッタリの臨床例があったので,実地見学となったのだろう。頂点寸前の痛み,力みもどこへやら,医学生とはいえほとんどが「男性」の目が注がれた羞恥心は余程こたえたらしい。
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