特集 思春期保健のこれからのカタチ
【活動事例3】思春期における薬物防止教育
尾形 由起子
1,2
,
野中 多恵子
3
,
篠原 美智子
3
,
小西 美智子
4
1福岡県庁総務部私学学事振興局看護学部開設準備室
2元福岡県田川保健所保健課
3福岡県田川保健所
4広島大学医学部保健学科
pp.692-696
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902483
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薬物乱用問題は,使用開始年齢が低年齢化していることもあり,社会的問題になっている。この問題を解決するためには,発達段階に応じた一次予防的教育を行っていくことが重要とされている。田川保健所管内は,他の地域に比べ薬物に関する相談件数が多く,また若年妊娠率や人工妊娠中絶が高率であったりと思春期を取り巻く問題が顕在している。なかでも薬物の問題は,身近なこととして問題視されている現状がある。
これまでの保健婦の活動として,学校との連携は個別支援上の必要から関係を取っているにとどまっていたが,1996年度より保健所全体で学校との連携を強めて思春期問題に取り組み始めた。今回の取り組みの結果,徐々に学校と保健所が組織として有機的な連携が取れるようになり,学校の自己完結的な傾向も薄れ始めてきたように感じられる。また,学校だけでなく,家庭でも,薬物がどのようなものであり,使用するとどうなるのか,継続的に使用するとどうなるのか,その怖さを幼児期から教育する必要性がいわれているため1),保護者に対する教育も併せて考えていった。その経緯と,薬物に関する調査をもとに地域との連携も試みたので報告する。
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