特集 個別健康教育を考える
【課題を整理する3】予防医学のストラテジーからみた個別健康教育
水嶋 春朔
1
1東京大学医学教育国際協力研究センター
pp.178-183
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902401
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根拠に基づく意思決定
ある意思決定や判断をするにあたって,その決定や判断に関与する人間の上司(上位機関)の意向,あるいは「先例」,その分野の特定の権威の意見によって決定や判断を行うOpinion-Based Decision Making(権威の意向に基づく意思決定)に対して,より科学的な客観的根拠に基づいた決定や判断を行うEvidence-Based Decision Making(根拠に基づく意思決定)の考え方の重要性が,欧米で深まり,日本にも紹介されるようになってきました1)。
Opinion-Based Decision Makingは,定型化した対応でよい場合や判断根拠が十分にない場合に,選択される決断・意思決定の様式といえます。その特徴は,先例主義的,形式的,管理的,非効率的で,正しい判断をする可能性があまり高くないことです。上位機関の通知や新しい事業計画にそのまま従う場合も,含まれるかもしれません。
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