研究
精神障害者家族会が設立されるまでの専門職による支援の特徴—東京近郊の事例調査を通して
蔭山 正子
1,2
,
金川 克子
3
,
桶谷 肇
4
1東京大学大学院医学系研究科地域看言董学分野
2財団法人全国精神障害者家族会連合会保健福祉研究所
3石川県立看護大学
4財団法人全国精神障害者家族会連合会
pp.956-962
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902295
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要旨
精神障害者家族会(以下,家族会)が設立されるまでの専門職による支援の特徴を明らかにすることを目的として,面接調査を行った。対象家族会は,東京近郊の4家族会であり,面接対象者は各家族会の設立を支援した専門職と現在家族会を担当している専門職である。その結果,家族会が設立されるまでの支援に共通する特徴がみられた。すなわち,専門職が家族会の必要性を感じて家族を集め,集まりの中で他の家族会会員の話を聞くなどの方法で,家族が家族会を設立したいという気持ちを表出するよう働きかける。そして,家族の中で設立に向けた気運が高まると組織づくりを行い,家族会を設立していた。家族の集め方,設立準備期に中心的に活動する核となるグループ作り,設立準備期に専門職が担う役割,家族を集めてから設立までの準備期間の長さについては,家族会により異なっていた。
家族会の設立を支援する専門職は,設立されるまでの支援の特徴をふまえたうえで,状況に応じた支援を行う必要があると考えられた。
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