Japanese
English
原著
和歌山県下及びその近郊におけるSporotrichosis
SPOROTRICHOSIS IN WAKAYAMA PREFECTURE OF JAPAN
広永 正紀
1
,
戸矢崎 紀紘
2
Masaki HIRONAGA
1
,
Noritsuna TOYASAKI
2
1和歌山県立医科大学皮膚科学教室
2神戸市環境保健研究所疫学部真菌室
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University
2Division of Mycology, Public Health Research Institute of Kobe city
pp.151-157
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201700
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
和歌山県下およびその近郊で発生せるsporotrichosisは,昭和40年,13カ月女児の顔面に生じた例を初めとし,昭和50年末までで計15例となつた,患者の性別は,男6例,女9例,年齢は13カ月(1例),5歳(1例),9歳(1例),40歳台(5例),50歳台(2例),60歳台(2例),70歳台(3例)で,病型は,皮膚リンパ管型が8例(顔面2例,上肢6例)皮膚局面型が5例,潰瘍腫瘤型が2例であつた.発症時期の明らかな例では,8月(3例),9月(1例),10月(1例),11月(3例)と,8〜11月に集中していた.分離株のうち14株はSDA上で黒色色素を産生したが,1株はいわゆる白色株であつた.分離菌株およびKurume−23株は全てCMA上で黒色色素を産生,BHIBA 37℃でyeast phaseとなつた.しかし,Ceratocystis stenoceras (3株)は,SDA, PDAおよびCMA上で共に色素の産生を欠き,BHIBA上37℃でyeast phaseとはならなかつた.生理試験では,starch分解能は,S.schenckii陽性,C.stenoceras, C.ulmi, C.minor, C.ipsは陰性で一線を画した.しかし,S.schenckiiとC.stenocerasは共にthiamineの要求性を示し,広塩度性も6〜7.5%と同じ程度であつた.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.