特集 今求められる結核対策(2)—事例集
大阪市の結核対策
巽 陽一
1
1大阪市環境保健局感染症対策室
pp.552-557
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902218
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大阪市の結核の現状
大阪,特に大阪市は全国平均と比べてケタはずれに高い蔓延状態を示しており,「大阪は全国で最も結核事情の悪いところ」と長らく指摘され続けている。
新登録患者数は,全国的には1975年頃から減少速度が鈍化し,1997年には38年ぶりに増加に転じている。本市においては,1985年以降は若干の増減を繰り返しながら,ほぼ横這いの状態から,1996年より上昇に転じた。結核罹患率は,1998年で104.2(新分類)と全国平均(32.4)の3.2倍という深刻な状況となっている(表1,図1)。また,患者の年齢別では,全国的には高齢者(70歳以上)に極端な偏在化が起こっているが,本市では40〜60歳代の割合が全国平均に比べて高いのが特徴となっている(図2,3)。
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