特集 新会計年度の抱負
大阪市に於ける昭和38年度の計画
広島 英夫
1
1大阪市衛生局
pp.195-197
発行日 1963年4月15日
Published Date 1963/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202653
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昭和38年度の抱負を述べるに当って第一にあげたいのは,大阪市教育委員会と共に2年前から検討してきた小児保健センターの建設である。現在,保健所では乳幼児健康診査,3才児健康診査,学校では定期健康診断が行なわれているが,その事後措置は徹底していない。これらの乳幼児,児童生徒の一斉健康診査を効果あらしめるためには,事後措置としての諸検査や処置をより高次の医療機関によって行なう必要がある。しかしわが国ではかかる小児専門の,小児外科,小児眼科等々各科を備えた医療機関はないのである。
次に小児を取り扱う場合には,常に教育的配慮がされねばならない。ことに弱視,難聽,肢体不自由,言語障害,喘息などは,治療というよりはむしろ長期にわたる教育訓練が主である。しかし,既存の病院形態の中ではこれの実現は困難と言わねばならない。
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