特集 NPOが住民参加を超えるとき
「介護保険法」とNPO
田中 尚輝
1
1社団法人長寿社会文化協会(WAC)
pp.547-553
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「介護保険法」の施行が待ったなしの段階になった。この10月からは認定審査が開始されることになり,それに先立って6月からは「介護支援事業者」,7月からはホームヘルプなどの「指定居宅サービス事業者」の指定が始まることになっている。そして,いよいよ来年(2000年)4月からはサービス開始である。すでに,介護保険に関するおおかたの政令・省令も決定し,残されているのは「介護報酬」程度になっている。この「介護保険法」で注目しなければならいのは,この法律が介護に関する新しい制度を目的にしたものであるが,それだけに止まらず,保健・福祉・医療の世界を抜本的に変革する号砲のようなものであり,社会福祉と社会保障全体の構造改革が進むという側面を持っていることであろう。
本稿では,NPOと「介護保険法」に焦点をあて,それが実際の介護の分野にどのように影響を与えるのかを考えることにする。保健婦の皆さんやこの雑誌の読者は介護保険については専門家だから,私は「NPO法」の成立に関与し,ボランティア団体や市民団体などのNPOに関与している立場から,「介護保険法」とNPOについてアプローチしてみよう。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.