特集 移植医療と保健活動の接点を求めて
これからの移植医療の方向性と保健所に期待される役割
眞鍋 馨
1
1厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室臓器移植係
pp.21-29
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901918
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わが国と欧米の臓器移植
わが国においては,心臓が停止した死後の提供者から摘出された腎臓や角膜を用いた移植が,従来から「角膜及び腎臓の移植に関する法律」に基づき実施されていた。これにより,年間約200人弱の慢性腎不全に悩む患者,約1500人の角膜疾患に悩む患者が移植という医療を受けてきたが,いわゆる脳死状態(全脳の機能が不可逆的に停止した状態。人工呼吸器などによって心臓を動かすことはできる)からの摘出が必要な心臓や肝臓などの移植は行われてこなかった。
翻って欧米では,表1に示すとおり,年間数百〜数千の心臓や肝臓などの移植が行われている。
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