保健所の問題点
保健所活動の方向
藤咲 暹
1
1仙台市東保健所
pp.459-461
発行日 1963年8月15日
Published Date 1963/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202706
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昭和12年保健所法の制定によって確立されたわが国の保健所活動は,初め相談業務,訪問指導業務を中心としたものであったが,戦後権限業務が附加され,行政機関としての立場をとるに至り,業務は増加した。しかも保健所の果した役割が高く評価されるに伴なって,保健衛生に関する問題が次々と保健所にもち込まれ,公衆衛生の広い業務が無統制に保健所に負荷されるという形で,これが処理に寧日ないという結果となった。昭和35年保健所の再編成とその運営の改善の方途が示されたが,これの適応も社会的経済的変化の速さに追いつかず,困惑に直面しているというのが現状であろう。公衆衛生行政の第一線責任体である保健所について考えるには,基本的な問題の考察が必要であると思い,敢て私が感じている2,3の点について述べることとした。
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