特集 さまざまな人事交流
これからの保健婦に期待される役割と人事交流の意義
小田 清一
1,2
1前,岐阜県衛生環境部長
2厚生省保健統計室
pp.846-850
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901434
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はじめに
昭和53年から始まった第1次国民健康づくり対策によって,保健婦の活動の場としての市町村保健センターの整備や,市町村保健婦の配置が進むなかで,対人保健サービスの主役は保健所から市町村へ,保健所保健婦から市町村保健婦へと徐々に移行してきた。昭和58年2月から施行された老人保健法の保健事業の実施主体が市町村であったことはこの傾向に拍車をかけた。その結果として,市町村保健婦の保健所保健婦に対する比率は増加を続け,昭和53年に1:1であった保健所保健婦と市町村保健婦の比率は現在1対1.6となっている1)。
さらに,平成6年7月に公布された地域保健法により,平成9年度からは一般的な母子保健サービスと栄養指導は市町村業務に移管されることになり,対人保健サービスについての市町村と都道府県の役割分担が一層明確化された。今後,市町村は住民に身近な一般的な対人保健サービスの提供者として,必要な施設の整備,マンパワーの充実などによる機能のより一層の充実強化を図る必要がある。また,保健所は広域的,専門的な対応が必要となる対人保健サービスを提供するため,保健所の統合と機能の強化を行うこととされている。
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