研究
プライマリ・ヘルス・ケアの視点から見た高知県保健婦駐在制についての研究
大友 優子
1
,
西田 茂樹
2
1国立公衆衛生院平成8年度専門課程
2国立公衆衛生院保健統計人口学部
pp.740-744
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901841
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要約
わが国の戦後の発展段階において,県下に一定水準の保健サービスを浸透させた高知県の保健婦駐在制の経験をプライマリ・ヘルス・ケア(PHC)の視点から分析することで,発展途上国における効果的な保健活動を考えることを目的とした。
結果は,PHCの核心である「ヘルス・ニード」,「地域参加」,「資源の有効・効率的活用」,「総合的で包括的なヘルス・システムの最末端」のいずれにも優れ,長所も多いことから,多くの発展途上国においても保健婦駐在制の活用が可能であると考えられた。このモデルを適用するにあたっては,所属先からの適切な後方支援体制の確保,受け入れ側からの理解や支援・協力態勢の確保,住民側からの協力支援体制の確保の3点が不可欠である。また,保健活動の効率と効果を高めるためには,駐在保健婦と住民との間を結ぶ保健推進員や保健婦補助員などのヘルス・ワーカーの存在が重要であることが示唆された。
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