特集 地域における保健と医療の連携
世田谷区における保健・医療・福祉の連携—退院情報システム実施報告
山川 由祈子
1
,
渋田 景子
1
,
奈良部 晴美
2
,
小見 道子
3
,
荒木 夏代
4
,
成中 政子
5
,
田中 克江
6
,
斎藤 まり子
6
,
小林 政子
7
,
村上 輝代
8
1世田谷区世田谷保健福祉センター
2世田谷区北沢保健福祉センター
3世田谷区玉川保健福祉センター
4世田谷区砧保健福祉センター
5世田谷区烏山保健福祉センター
6関東中央病院
7世田谷区世田谷保健所
8世田谷区保健福祉計画担当部
pp.196-203
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901742
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要約
世田谷区においては,高齢化の進展の中で,平成6年に保健・医療・福祉の連携の一環として,病院を退院する患者・家族が退院後も安心して在宅療養ができるために,また,ねたきり予防をより推進するために.行政と病院が退院に向けて在宅療養に必要な情報を共有し,保健・医療・福祉サービスを一体的に提供する「退院情報システム」という仕組みをつくり,2病院を協力病院としてモデル実施を開始した。
平成9年4月,保健所と福祉事務所を統合して保健福祉センターとし,保健福祉サービスの一体的提供体制とした。そして,新設の保健福祉課では,「3法ゼネリックとケアマネジメントシステム体制」とした。この組織改正により,協力病院からの連絡窓口は,5保健福祉センターの総合相談とし,総合相談の保健婦が担当することとなった。
開始後3年を経て,協力病院数や病棟も拡大し,平成9年12月末では,189件となっているが,行政側と病院からの事例報告を通して,本事業運営のポイントは何かについて述べると次のとおりである。
①関係者がシステムの意義や運営の仕組みを十分理解していること,②病院の特殊性を把握し,それに対応したシステムの運用を行うこと,③病院において診療計画や看護計画が立てられていること,④必要な情報がタイムリーに共有できること,⑤病院から連絡を受けた窓口に,病院との調整が機敏にとれる体制があること,⑥在宅生活のサービスプランに本人・家族が参加していること,⑦ケアマネジメントシステムの確立。
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