公的介護保険制度と保健婦（士）活動に期待するもの—保健医療福祉サービスと老人虐待の現状から考える

はじめに

　個人の自由を認めながらも，国民皆保険制度のもとに，行政や公的な性格を持つ病院や施設を中心に発展してきた保健医療福祉のケアシステムを基盤とするわが国では，これまで保健婦は地域保健活動とサービス提供において大きな役割を果たしてきた。今，21世紀の地域保健医療システムの転換期を迎え，今後どのような方向を選択するかが問われている。