特集 ケアマネジメント
III章 ケアマネジメントと介護保険制度
ケアマネジメントと介護保険制度案
佐藤 信人
1
1厚生省老人保健福祉局介護保険制度準備室
pp.1003-1008
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901676
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わが国においては本格的な高齢化の進展に伴って,寝たきりや痴呆症のように介護を要する高齢者が急速に増加すると見込まれている。その上,介護程度の重度化,介護期間の長期化,介護家族の高齢化などが進んでいる。このため,介護問題は今日の国民生活の大きな不安要因となっている。一方,社会的に介護を支える現行制度は医療と福祉の縦割りの制度となっており数々の問題が指摘されている状況にある。こうした不安や問題の軽減を図り,今後急速に増大すると見込まれる介護費用を将来にわたって国民全体で公平に賄う仕組みとして提案されているのが介護保険制度案である。そして,この介護保険制度案におけるサービス運用の手法としてケアマネジメントの仕組みが位置づけられている。
この介護保険法案は,第139回臨時国会(平成8年11月29日)に提出され,第140回通常国会(平成9年1月20日〜)で審議されてきたが,5月22日衆議院本会議において一部修正の上,賛成多数で可決された。しかし,続く参議院での十分な審議日数が確保できなかったことから継続審議とされている。これにより介護保険法案の成立は今秋の臨時国会での審議を待つこととなった。
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