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“ニユータウン”という高齢化社会での活動 東京都多摩保健所・多摩市役所
八木 保
pp.1061-1064
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901482
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高齢化社会へと進むスピードや形態は地域によりさまざまである。東京都南部の丘陵地域の多摩保健所管内にある多摩ニュータウンもその特徴的な地域の1つ。この地区は,昭和40年に新住宅市街地開発法によるニュータウン建設が計画され,入居開始の昭和40年代以来,人口が急増した。その増加ぶりは,昭和40年の管内人口3万4377人から20万6649人(平成7年)へと6倍以上である。そして,昭和40年代にこのニュータウンへ入居した20〜30代の人たちが,現在は50〜60歳となっている訳で,その結果次のようなこの地区に特徴的な高齢化の問題が保健婦たちには見えてきた。
①高層住宅の課題:法的な義務づけがなかったため,5階以下の高層住宅にはエレベーターのないものが多い。そのために足腰が弱くなったり,障害を抱えると外出が困難になり,ますます健康課題を抱えることになる。市や保健所の機能訓練サービスのバス送迎は階段の下までで,自宅までの階段は自力で昇降することが必要なため参加できない人がいる。階段昇降機は高額で,だれもが利用できるものではない。
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