連載 野道を行けば・10
私がお年寄りを好きな理由
頼富 淳子
1
1(財)杉並区さんあい公社
pp.834-837
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901431
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手
初冬,北風が強い。
その家はひと一人ようやく通れるほどの細い露地の奥にあった。古い木造の小さな平屋が軒を連ね,それぞれに生け垣や板塀に囲まれていて人の気配もない。
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