とびら
「終焉の場」のお年寄り達
熊澤 輝人
1
1名古屋市厚生院リハビリテーション科
pp.555
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105102
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「終焉(しゅうえん)の場」と聞いて,皆さんはどんな場所を想像されるだろうか.広辞苑には「身の落ち着く所.隠居して晩年を送るところ.」と書かれてある.縁があって特別養護老人ホーム(特養)のお年寄り達と触れ合い,早いもので10年が経過した.この間,様々な出会いがあり,色々なことを学ばせてもらった.
施設の沿革は古く大正15年の創立である.もともとは救貧施設として発足したが,その後,昭和38年の老人福祉法の施行に伴い特養の認可を受けるなど時代とともに変遷し,現在は特養,附属病院,救護施設を併設する老人の複合施設へと姿を変えた.施設の特殊性から,入院患者のほかに,毎日のように特養の入所者が訓練室にやってくる.また患者の多くは特養待機入院であり,一般の病院とは違い,施設での生活を維持する訓練が中心となる.そのため訓練期間も長期化するので,訓練室には観葉植物を置いたり,作業療法での作品を飾るなど和やかな雰囲気づくりを心がけている.
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