特集 これからの実習とは
保健婦(士)教育の実習形態調査
深瀬 須加子
1
1西南女学院大学保健福祉学部
pp.298-308
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901345
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はじめに
21世紀に向かい地域保健,医療,福祉活動の転換期である現在,従来から公衆衛生看護として地域活動に大きく参与してきた保健婦活動も,その社会ニードに対応した活動が求められている。従来,保健婦(士)教育の多くは公立専門学校によって看護婦資格取得教育後の1年課程によるもの,あるいは看護短期大学専攻科における教育であった。一方,少数であるが大学における看護教育で「看護学」として,看護婦・保健婦教育の統合された教育が行われてきた。しかし,近年,看護系大学の急増と看護〔保健婦(士)〕学生の増加に伴い,地域看護・公衆衛生看護の実習施設としての保健所および市町村での実習を必要とする学生数が増大している。
実習形態のうえからも,従来の方法を継続してゆくことは困難となってきている。特に,都市において困難性は高く実習問題の検討は急務である。また,学習内容としても新たな地域保健活動に対応できる保健婦(士)が期待され,より質的向上を目指した教育が求められている今日,これに応える実習の充実が必須である。更に,多忙を極めている保健婦にとっては,学生への指導の時間的,心理的負担も大きなものであり,これらの現状を見直すことが必務と考えられる。
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