特集 保健婦活動研究論文集
保健所における機能訓練事業の心理的,社会的評価について
佐藤 由美子
1
,
鎌田 ひとみ
2
,
豊福 明子
1
,
鈴木 由美
1
,
長田 美鈴
1
,
新妻 麻衣子
1
,
寺内 千秋
1
,
徳留 真子
1
,
岡本 ミチ子
1
,
今田 愛子
3
,
佐藤 牧人
1
1仙台市泉保健所
2仙台市宮城野保健所
3仙台市在宅福祉サービス公社
pp.196-202
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901330
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●要約
機能訓練事業参加者に認められる心理面や社会面での変容について新たな評価基準を設定し,従来のADLや自立度などの項目と共に事業の効果を評価した。その結果,「役割達成」の項目に変化が見られ,さらに「発言」と「役割達成」「障害の受容」「対人関係の広がり」との間に有意の相関が見られた。これらの成績より,事業の中で積極的な役割を持ち発言機会を増やしていくことが参加者の障害の受容や対人関係の広がりなどの社会適応に関連して重要と考えられる。しかし,一方では具体的な行動の変容は困難であることも示唆された。
このような心理的,社会的評価方法の導入は機能訓練事業の有効性を明らかにすると共に,各参加者個人の具体的な評価に基づく社会適応への取り組みを支援するなど事業の質の向上を図ることに有効と思われる。
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