特別寄稿
[体験レポート]在宅酸素療養高齢者の一時帰省を支援して
大坂 弘子
1
,
美ノ谷 新子
1
,
田高 悦子
1
,
河野 あゆみ
1
,
石川 路子
1
1三菱重工大倉山病院在宅療養部
pp.117-121
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901317
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はじめに
厚生省は「住み慣れた土地で暮らせるよう,在宅ケアの充実を」と言うけれど,加齢に伴い,あるいは疾病をきっかけに故郷での独居生活が困難となり,都市部に就職し居を構えている子供の家に身を寄せ,世話を受けざるを得なくなることがある。特に高齢になってから,住み慣れた土地を離れての生活を余儀なくされる状況下では,それが生活空間や介護力,また医療支援といった側面で充実されたものであっても,本人の精神衛生面の落ち込みを補い得るものでは決してない。
この体験レポートは,平成7年夏に横浜市(神奈川県)と江刺市(岩手県)とを行き来した肺気腫のため在宅酸素療養をしている男性の,「忘れがたい望郷の想い」を実現するために関わった人々の記録である。
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