特集 呼吸器問題集—呼吸器疾患の糸口とミニマムエッセンスを知る
気管支喘息
Question 22 32歳男性.主訴「妻の実家に帰省すると息苦しくなる」
仁多 寅彦
1
1聖路加国際病院呼吸器内科
pp.1189-1190
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620081189
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現病歴 これまで健康に不安を感じたことはなかった.2年前に仕事関係で知り合った4歳年上の妻と結婚した.結婚前に妻の両親とは自分の住んでいる東京で会っていただけだったので,妻の実家に行くことはなかった.結婚後に妻の実家に行くと,昼間は症状が出ないが宿泊すると夜間に呼吸困難となり,苦しくて朝まで起きていることが多かった.自分の家に戻ると改善してその後は特に症状はない.
妻の実家に泊まりに行くと妻の両親と妻の兄弟が歓迎してくれ,いつもお酒をよく飲んでいた.患者本人はタバコを吸わないが,妻の父親や兄弟はお酒を飲み始めるとずっとタバコを吸っていた.実家は木造の築年数不明の年季の入った日本家屋で,離れもあるお屋敷である.敷地の隅には古井戸もあり,調べてみると近くが古戦場だったこともわかった.本人は何かそういう霊的なものが息苦しさに関係しているのではないかとも思っている.妻の実家に泊まるときはいつもその離れに泊まるのだが,トイレは母屋まで行かなくてはならないため,夕食時にお酒をたくさん飲むと寝てからトイレに行きたくなる回数が増え大変である.
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