特別記事
保健婦の施策への関与状況を調査して—具体的な取り組み事業から(本誌投稿者に対するアンケート結果・続報)
田中 久恵
1
1杏林大学保健学部
pp.890-899
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901252
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はじめに
「公衆衛生看護」の本質は,個別の支援活動を,地域,職域,学校などそのコミュニティ集団の全体の中でとらえて,健康問題を解決する方策を組織的に整え(施策化),更にその体系の中で個別の活動を進めていくという繰り返しにより,地域の健康水準を向上させることにある。したがって「看護」そのものが病院など施設のみならず,地域(在宅)という場で行われるというように広がってきている時に,健康問題を持つ住民の個々に対するケア技術の質的向上にだけ注目していては,保健婦がそこで働く理由を問われても,「看護婦」との違いを説明することは難しいのではないか。
本誌1995年1月号に掲載された,東京都特別区の本庁に勤務する4人の保健婦による座談会「保健婦こそ施策づくりへの参画を」1)を読み,苦悩しながらも果敢に挑戦する座談会参加者の話の中から,施策化に向けてのポイントを抜き出してみた。
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