発言席
戦後50年と公衆衛生
小町 喜男
1
1大阪府立公衆衛生研究所
pp.677
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901201
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公衆衛生の50年を端的に表現すれば,どの世界にも通用する言葉だろうが,努力と発展と停滞の歴史といえる。もっと強い表現をすれば,発展と屈辱ともいえないことはない。
私の感覚でいえば,世の中が貧困にあえぎ,多くの問題を抱えている時には,公衆衛生はより多くの問題を処理するためにそれなりに受容されているが,世の中が豊かになり,個人の問題がより多くの重みをもってくるようになると,公衆衛生は,正当には評価されにくくなるもののようである。
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