研究
精神障害者の生活に関連する地域生活文化と組織的対応の検討
佐久間 えりか
1
,
阿保 順子
1
,
佐々木 享子
2
,
藤田 毅
3
1北海道医療大学看護福祉学部看護学科
2北海道岩見沢保健所
3市立三笠総合病院精神神経科
pp.302-310
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901129
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はじめに
精神障害者の社会復帰は,精神衛生法から精神保健法に改正されて以来,急速に推し進められつつある。しかし,依然として偏見などの根本的な問題を基底に置いているため,地域社会における精神障害者の受け入れには多くの困難を伴うというのが現状である。
そのような状況を先取りした形で,外口らは,精神障害者が安心して生きる場の保障,支える人と場をつなぐ活動の重要性について言及し,さまざまな実践を展開した。それらの活動は,精神障害者のネットワーク作りへと集約されていっている1-5)。また,精神保健法以後,地域の受け皿作りの施策として,社会復帰施設の設置が盛んに推し進められた。その結果,精神障害者と地域住民の接点は多くなり,両者の間に新たな関わりが生じてきている。大島らは,そのような,改めて問われてきた両者の関係のありように注目している。その中で,彼らは施設作りと地域社会との葛藤状態に焦点を当て,精神障害者との接触体験と社会的距離との関係について考察している6-9)。
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