特集 精神障害者のリハビリテーション
「精神保健および精神障害者福祉に関する法律」の枠組み
桑原 治雄
1
1滋賀県精神保健総合センター
pp.259-264
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901122
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
平成7年7月4日から施行される予定の精神保健法の再改正の内容がはっきりしてきた。この法案は6月に国会で承認される予定である。「精神保健法」という題名も変わって「精神保健および精神障害者福祉に関する法律」に改められることになった。「精神障害者の自立と社会経済活動への参加への促進」がキーワードとして,この「法律」の第1章の主要な条項に加えられている。
まず,この題名が示すように,精神保健と精神障害者福祉とが分けられている。改正前の精神保健法でも,精神障害者福祉に関する条項が無かったわけではない。精神障害者社会復帰事業や精神障害者地域生活援助事業の条項も勿論含まれていたのだが,精神障害者の社会復帰だけでなく,精神障害者の自立と社会経済活動への参加を明確にするためにも,精神障害者福祉という考え方の方がはっきりしている。その基本に立って,この法改正が組み立てられていることがわかる注1)。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.