特集 精神保健福祉法と精神保健活動の新たな視点
精神保健センターから精神保健福祉センターへ
相澤 宏邦
1
1宮城県精神保健福祉センター
pp.98-101
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901423
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7月1日から新しい「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(以下精神保健福祉法)が一部を除いて施行された.この法律は平成5年に成立した「障害者基本法」が精神障害者を含めた法律として,第2条に規定された「障害者とは,身体障害,精神薄弱又は精神障害があるため,長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受けるものをいう」を受けるとともに,平成5年の改正時の衆参両議院の付帯決議の早期実現を期して成立したものである.しかし,厚生省は最近になって,来年度予算編成に向けてその財源確保のために医療費の公費負担を保険優先に変えることによって,その差額を特に社会復帰対策費に振り向けるという意味も含まれていると説明するようになった.
しかし,この改正がかなり性急なものであったためにでき上がったものにかなりの問題点も浮かび上がってきたことも否めない事実である.編集者から本稿に要求された精神保健福祉センターの福祉業務についてもその一つである.したがって,本稿ではこの新しい法律に則って業務を遂行する立場から,大きく変わった点は何か,そこに含まれる問題点は何か,この法で言われている福祉的業務とは何か,精神保健福祉センターに期待されているものは何か,それを現在の精神保健福祉センターで実現できるものか,について論を進めたい.
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