連載 家族を考える・3
島で暮らして—離島と家族の生活
箕輪 良行
1
1三宅島診療所
pp.248-249
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901119
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私と家族
生活の背景と家族のダイナミズムを十分にわかったうえできめ細かい診療を展開する姿は,家庭医の理想です。何でも屋の医者である私にとって,そのような「家庭医機能」は特に大切な能力のひとつです。けれども生活者としての基礎的訓練が不足している私には,暮らしの機微は語れません。御多分にもれず私は,ワーカーホリックで過労死も他人事といった感じの平均的な日本人だと思います。
中学校の教師である妻と,中学生を筆頭に4人の子どもたちから構成される私の家族は,ありふれたというには少し無理があります。実際私たち6人だけでは生活を維持しきれずに,母たちの手伝いや親しい友人に助力を仰いでいます。そういう意味で隣近所で協力し合い,親類同士で支え合っている離島などの僻地で暮らす家族に似ているかもしれません。
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